日欧EPA、発効から7年。使いこなしている企業と、まだ手をつけていない企業の差
- 13 時間前
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「知っている」と「使っている」は別の話
日EU・EPAが発効したのは2019年2月。もう7年が経ちました。世界のGDPの約3割、貿易の約4割を占める経済圏との関税優遇—これだけ聞けば、活用しない理由がないように思えます。
しかし外務省が欧州委員会と毎年交換している貿易統計に基づくEPA利用率を見ると、直近の2024年分(発効6年目)で日本からEUへの輸出は73%にとどまっています。関税優遇の対象になり得る品目のうち、実際に優遇を使えた割合が7割強ということは、裏を返せば輸出額の4分の1以上が、今も本来受けられるはずの関税優遇を受けずに取引されているということです。しかもこの利用率は、発効3年目の63%から緩やかに上昇してきたペースであり、7年目に入った今も完全には行き渡っていません。
使われない理由は、制度ではなく「手間」
日EU・EPAは、日本や他の多くのEPAと違い、原産地証明を第三者機関ではなく自己申告制で行う仕組みです。関税優遇を受けるには、原材料の調達から加工、在庫管理、配送までの流れを自社で正確に把握し、原産地規則を満たしていることを自ら証明しなければなりません。
この「自己申告」という設計そのものが、多くの企業にとって参入障壁になっています。制度を理解する手間、証明書類を作成・管理する体制構築のコストが、関税優遇によるメリットを打ち消してしまうと感じている企業も少なくないのです。
それでも、使いこなしている中小企業がある
一方で、ジェトロが紹介する成功事例を見ると、規模の大きくない企業がすでにこの制度を武器にしています。
埼玉の野口精機は自社の技術力を武器に欧州ビジネスを展開し、愛知の日本ビデオシステムはEPAを活用しながら攻めの営業で欧州の販路を広げました。埼玉の望遠鏡メーカー・ビクセンはEPA活用によって欧州での競争力を高め、富山の四津川製作所は伝統工芸の銅器に新たな価値を加えて欧州市場に進出しています。いずれも大企業ではなく、地方の中堅・中小企業です。
差を分けているのは、技術力ではない
これらの企業に共通するのは、製品力の高さだけではありません。原産地規則を満たすための社内体制を、面倒がらずに整えたかどうかという一点です。良い製品を持っていても、証明書類を用意できなければ関税優遇は使えません。逆に言えば、この事務的なハードルさえ越えれば、規模の小さな企業でも欧州市場で価格競争力を持てるということです。
まとめ
日欧EPAは発効から7年が経ち、もはや目新しい制度ではありません。しかし使いこなせているかどうかで、欧州での価格競争力に明確な差が生まれています。制度を活かす前提として重要なのは、そもそも自社の技術や製品が欧州市場のどこに刺さるのかという見立てです。この見立てを一緒に整理したい経営者様は、お気軽にご相談ください。




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