静かに始まった規制。気づいていない日本企業が多すぎる
- 23 時間前
- 読了時間: 2分

「環境規制」だと思っていませんか
2026年8月12日、EUの新しい包装・包装廃棄物規則「PPWR」の一般適用が始まりました。もう5日が経っています。
タイトルだけ見ると、環境対応の一環だと思われがちです。しかし実態は違います。これは市場アクセス規制です。この日以降、EU域内の輸入事業者は包装の適合性を確認する義務を負い、日本の輸出企業が求められた証拠——技術文書とEU適合宣言書(DoC)——を提示できなければ、出荷そのものが止まります。品質でもコストでもなく、書類が揃っているかどうかで、御社の製品がEUに入れるかどうかが決まるということです。
すでに現場で起きている混乱
ジェトロが7月、在ドイツ日系企業3社に行ったヒアリングでは、次のような実態が明らかになっています。
日本やアジアの生産拠点から製品を輸入し、欧州域内で販売するある化学メーカーは、社内でPPWRの話が初めて出たのが2026年3月。準備開始から適用開始までわずか5カ月という状況の中、EU各国の輸入事業者や日本本社、包装材サプライヤーと連携しながら、必要な技術文書とDoCの情報収集に追われています。
食品メーカーの現場では、さらに込み入った問題が起きています。食品接触包装に含まれる有機フッ素化合物(PFAS)の含有量計算基準の解釈が難しく、委託製造先を含む複数の生産拠点で混乱が発生。包装に使うインクまで計算に含めると、ほぼ確実に基準値を超えてしまうというのです。
この壁は、技術の壁ではなく「データ整理」の壁
多くの経営者が誤解しがちですが、PPWR対応の本質は新素材の開発でもリサイクル技術の向上でもありません。包装材の仕様データが、社内のどこにどう散らばっているかを可視化し、サプライヤーからの申告情報を追跡可能な形で整理できているかどうかという、地味だが避けて通れない実務課題です。
スプレッドシートに点在するデータ、メールやPDFに埋もれたサプライヤーの申告書、包装仕様と実際のSKUが紐づいていない管理体制——これらを放置したまま適用開始を迎えた企業は、規制そのものより先に、自社の情報整理の甘さに足をすくわれることになります。
まとめ
PPWRは今後、2028年のバイオベース包装要件、2030年の非適合包装の販売禁止と、段階的に対象が広がっていきます。今のうちに自社のデータ整理体制を確認しておくかどうかが、数年後の欧州取引の継続可否を左右します。貴社は対応出来ていますか?




コメント