なぜヨーロッパ企業は日本人の『すみません』を誤解するのか?-信頼関係構築の隠れた落とし穴-
- springbeautiful0704
- 6月3日
- 読了時間: 2分

国際会議で起きた「すみません」の悲劇
先日、ドイツ企業との合弁事業の会議で、こんな場面を目撃しました。
日本側プロジェクトマネージャーのTさんが、プレゼンテーション中に「すみません、この数字についてですが...」と発言した瞬間、ドイツ側のCEOの表情が曇りました。会議後、そのCEOは私にこう漏らしたのです。
「彼はいつも謝っているが、一体何を間違えたのか?我々に隠していることがあるのではないか?」
「すみません」の3つの顔
日本人が使う「すみません」には、実は3つの異なる意味があります:
1. 謝罪:「申し訳ございません」
例:遅刻した時の「すみません」
2. 注意喚起:「失礼いたします」
例:会議で発言する前の「すみません」
3. 感謝:「ありがとうございます」
例:道を譲ってもらった時の「すみません」
ヨーロッパ人が混乱する理由
ヨーロッパのビジネス文化では、言葉は直接的で明確であることが重視されます。特にドイツやオランダでは「謝罪は責任の所在を明確にするもの」という認識が強いため、日本人の習慣的な「すみません」を聞くと:
「何か問題が発生したのか?」
「責任を取る準備があるということか?」
「なぜ事前に報告しなかったのか?」
と考えてしまうのです。
実際のトラブル事例
ケース1:フランス企業との商談 日本人営業担当者が「すみません、価格についてご相談が...」と切り出したところ、フランス側は「価格設定にミスがあったのか」と誤解し、契約条件の再交渉を要求されました。
ケース2:イタリア企業との技術会議 「すみません、この技術仕様ですが...」という発言が、「技術的な問題が発覚した」と受け取られ、不要な技術監査が実施される事態に。
信頼関係を築く3つの解決策
1. 目的を明確にした言い換え
❌「すみません、質問があります」
✅「I have a question about...」
2. ポジティブな導入を使用
❌「すみません、提案があります」
✅「I'd like to share an interesting idea...」
3. 文脈を先に説明
❌「すみません、スケジュールですが...」
✅「Regarding our timeline, I'd like to discuss...」
「すみません」一つで信頼関係が揺らぐなんて、と思われるかもしれません。しかし、国際ビジネスでは、こうした小さな誤解の積み重ねが、プロジェクトの成否を左右することも少なくありません。
次回欧米企業との会議では、ぜひ「すみません」の代わりに、具体的で前向きな表現を使ってみてください。きっと相手の反応が変わることを実感していただけるはずです。




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