欧州ビジネスの“現場”で起きていること
- springbeautiful0704
- 2 日前
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展示会で始まり、展示会で決まる、本音の商談文化から学べること
日本企業の多くが「国内市場の縮小」「人口減少」「内需の限界」など、構造的課題に直面
しています。その一方で、欧州では依然として 世界中の企業が集まり、出会い、交渉し、
新しいビジネスが日々生まれている場所 があります。
それが —— 欧州の展示会(Messe) です。
1. 欧州の展示会は「世界の交差点」
ドイツを中心とする欧州の展示会は、業界別に世界最大級の規模を誇ります。
ハノーファーメッセ
メッセフランクフルトの国際見本市
デュッセルドルフのK展, MEDICA&COPAMED展
EMO、IFAT、Formnext など専門展示会
単なる「製品紹介の場」ではなく、“世界中から業界を代表する企業が集まり、
未来の市場方向性が決まる場所” と言われています。
実際、欧州では…
実物の機械・部品を見ながら詳細を議論し
技術担当者や経営層がその場で意思決定し
展示会後の会食で本音ベースの話が進み
その場で新規案件が動き出す
というケースが非常に多いのです。
2. “人と人”としての関係構築が欧州では
圧倒的に重視される
欧州ビジネスの特徴のひとつは、「人として信頼できるかどうか」が
取引の前提になる ことです。
特にBtoB領域では、
展示会で対面する
一緒に機械や部品・商品を見る
技術的な課題をその場で議論する
夕食で価値観やビジョンを共有する
こうした人間らしいコミュニケーションを通して、
“この人となら、長期的に仕事ができる”と判断されます。
欧州における会食は単なる「懇親」ではなく、
“信頼を可視化するビジネスプロセス” なのです。
3. 欧州企業は日本企業に対して強い興味を持っている
実は欧州企業側は、日本企業との協業や取引に対して高い関心を持っています。
理由は明確です:
日本の精度・品質・安全性への信頼
誠実で長期的な関係構築の姿勢
課題と向き合い、確実に改善する文化
欧州のサステナビリティ要求に適応できる技術力
倫理感とコンプライアンスへの強さ
実際、展示会でも「日本企業はなぜもっと来ないのか?」と聞かれることがよくあります。
欧州側は、日本企業との協業に価値を感じているのです。
4. 日本国内だけに留まるリスク
日本市場は既に人口減少・縮小のトレンドが続いています。
内需依存の事業モデルの限界
投資回収期間が延びる
技術の国際競争力の可視化機会が減る
若手人材の育成機会の縮小
グローバル案件の不足
こういった課題は「海外に目を向けない」ほど強まります。
5. 欧州は“リスク”ではなく“学びと成長のフィールド”
欧州進出には慎重な姿勢が必要であることは当然です。
しかし、欧州での展示会・商談・顧客接点の作り方は、日本企業にとってむしろ
ブランド価値の向上・技術の評価・長期パートナーの獲得・
グローバルマーケットでの存在感確保に直結します。
そして、欧州企業は「誠実さ」や「技術力」を持つ日本企業との協業を歓迎しています。
結び:国内市場の縮小に留まらず、“世界の現場”へ
欧州の展示会では、世界が動いている瞬間 を、目の前で見ることができます。
日本国内だけで戦略を完結させるのは時代遅れです。
欧州の市場で、欧州の顧客と、欧州の競合と、欧州のパートナーと出会うことで、
日本企業が持つ価値はさらに引き上がります。
国内市場の課題を見るだけでなく、欧州の可能性にも目を向けてみませんか?
