top of page
検索

「Why(何故)?」から始める日本企業の再創造──世界で選ばれ続けるために、いま経営者が見直すべき視点


ree

Simon Sinek 氏の著書 “Start with Why” では、偉大な組織は “What(何をするか)”や“How(どうするか)”ではなく、Why(なぜそれをやるのか) から語り始めると指摘しています。

この「Why」こそが人を動かし、社員を惹きつけ、顧客に選ばれる唯一の源泉である。

しかし、日本企業は長年、品質・技術・誠実さを武器に「What」と「How」で勝ってきたがゆえに、外部環境の激変に対して Why(存在意義)を言語化する機会が後回しにされてきたのが現実です。

人口減少、国内市場の収縮、人材確保競争、円安による仕入コスト増。こうした構造変化の中で、従来の延長線上では競争力を維持できないことを、多くの経営者が痛感し始めています。

では、これからの日本企業は何を軸に再創造されるべきなのか。

答えのヒントは「Why」にあります。そしてその“Why”は、実は 欧州進出やグローバル連携の必然性とも密接に結びついています。


1. 日本企業は「What &Howの強さ」を持つ。しかし世界が求めているのは「Why の強さ」

欧州企業の多くは、経営戦略の中心に「Purpose(存在意義)」を据えています。

  • なぜ我々は存在するのか

  • 社会にどんな価値を生みたいのか

  • そのためにどんな技術・人材・パートナーが必要なのか

この「Why」が明確であるほど海外企業との協業は進みやすくなり、逆に曖昧であるほど交渉は停滞します。

日本企業は品質・誠実さ・技術力など“実行力”で高く評価されていますが、欧州側が重視する点の一つは、「Why(目的)」の一貫性です。

つまり、Why を言語化できる経営者は、国境を越えて共感を生み、ビジネスが自然と広がっていくということです。


2. 国内市場が縮小する今、「Why」は組織を内側から強くする

多くの日本企業が抱える問題は、社員が「何のためにこの仕事をしているのか」が見えづらくなっていることです。

Sinek 氏が述べているように、人は「Why」に共感した時にこそ、創造性を発揮し、粘り強さを持ち、主体的に行動する。

賃上げ、人材獲得、生産性向上、イノベーション—これらすべての根底にあるのは「Why を共有できているかどうか」です。

「給料を上げたいから欧州に進出する」のではなく、「我々の価値を世界に届け、人材が誇りを持って働ける会社にする」という Why が先にある のです。


3. 欧州進出は “Why の再確認” の効果的なプロセス

欧州企業と向き合うと、経営者は必ず問われます。

「あなたの会社はなぜその技術を提供しているのか?」「なぜ日本企業のあなたと協業すべきなのか?」

この問いに答えるプロセスこそが、日本企業にとっての「Why の再定義」になり、組織全体の視座を大きく引き上げるのです。

さらに欧州市場には、日本企業が活かせる領域が数多くあります。

  • 高品質な製造技術・高精度な量産(部)品

  • 人間中心設計

  • 精密工学

  • 長期的関係構築の文化

  • サステナビリティへの本質的な姿勢

これらはすべて、欧州が最も信頼する日本の強みです。

つまり欧州は、日本企業が「Why」を世界に示す舞台として最適なのです。


4. 日本企業のCレベルに必要なのは、戦略の前に「内省」である

“Start with Why” の本質は、外向けメッセージよりも、経営者自身の内省にあると言っても過言ではありません。

  • 私たちはなぜこの市場で戦うのか

  • なぜ海外のパートナーが必要なのか

  • なぜ自社の人材がこの会社で人生をかける価値があるのか

  • なぜ今、変わらなければならないのか

これらの問いは、経営者一人で考えるにはあまりにも重く、孤独になりがちです。

だからこそ、欧州企業の多くは エグゼクティブコーチングを活用しています。内省を深め、Why を言語化し、それを組織に浸透させるためです。

コーチングは「気づきの質」を飛躍的に高め、経営者が本来持つ意思決定力と影響力を再び取り戻します。


5. 結論:「Why」の再定義は、企業を世界で再び輝かせる起点になる

日本企業がいま必要としているのは、“How の改善”でも、“What の最適化”でもなく、経営者が自分自身の “Why” を再発見すること。

そして、その Why が明確になったとき、欧州進出は「戦略」ではなく「必然」になります。

  • 日本の技術は世界で必要とされている

  • 欧州は日本の信頼性を高く評価している

  • 価値観の近い企業と協業することで新たなWhyが生まれる

  • そして何より、社員が誇りを持ち、未来を信じて働ける組織になる

“Why” から始めることで、日本企業は再び世界で輝く力を取り戻すことができます。

リーダーシップコーチングの機会を設けて内省をされたい方、欧州進出をお考えの経営者様、お気軽に弊社にご相談ください。

 
 
 

コメント


bottom of page