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世界のルールが変わるとき、日本企業に静かに訪れている選択肢


グローバル経営を見据えたとき、欧州は単なる大市場ではなく、戦略的価値を持つ協業パートナー領域として再評価されています。その背景には、制度・イノベーション・政策的な推進力といった複数の構造的トレンドが存在します。

このブログでは、最新の欧州の動きと日本側の機会を結びつけ、欧州との協業が日本企業の競争力を強化する合理的な理由を整理しました。


1. 欧日デジタル・イノベーション協力の強化

2025年5月、日欧は「日EUデジタルパートナーシップ第3回閣僚級会合」を開催し、新興技術分野における共同研究と競争力強化を進めることを共同声明で確認しました。研究テーマには半導体やBeyond 5G/6Gなどが含まれ、近い将来の共同研究機会創出にコミットしています。

このような政策レベルの協議は、単なる外交ではなく、企業が欧州企業と共に研究開発や標準形成に参画できる制度的基盤を整えています。


2. 欧州企業との産業連携が進む具体的プラットフォーム

「EU Business Hub」は、欧州企業の日本進出を後押しする事業として、グリーン・デジタル・医療など先進分野の欧州企業と日本企業をマッチングしています。2025年2月に開催された「SMART ENERGY WEEK / GX経営 WEEK」には、欧州企業50社以上が出展し、日本企業との連携の可能性を探りました。

また、日本最大級のIT展示会「Japan IT Week 2025」でも、デジタル・AI・グリーンテック等に強みを持つ欧州企業がEUパビリオンとして出展し、日本企業と連携機会を創出しました。

このような取り組みは、欧州企業が日本市場を単なる販売先と捉えるのではなく、共同価値創造の場・ビジネスエコシステムとして位置づけていることの具体例です。


3. 研究・イノベーション協力の枠組み強化

欧州連合(EU)と日本は、「ホライズン・ヨーロッパ」への準加盟を進め、研究・イノベーション(R&I)協力の強化に合意する方向で交渉を進めています。

これが実現すれば、日本企業は欧州の研究ネットワークに対等な立場で参加し、共同研究プロジェクトや助成金を活用できる可能性が高まります。これは単なる学術協力を超え、産業競争力の源泉を共有する戦略的基盤となります。


4. 欧州市場でのスタートアップ協業が日本企業の課題解決につながる

ジェトロと欧州最大のディープテック支援機関(European Innovation Council: EIC)は、「EIC-JETRO Europe Innovation Challenge」でスタートアップと日本企業の協業を推進しています。ここでは、日本企業が自社の課題を提示し、欧州スタートアップがソリューション提案を行うという成果が生まれています。

このような取り組みは、海外の先端技術を日本企業が自社の課題解決や事業変革に取り込む機会であり、協業の実装に直結する事例です。


5. 政府・企業が進めるインフラ・エネルギー分野の協力

欧州と日本はクリーンエネルギー分野でも協力を進めており、例えば水素の需要・供給チェーン構築に向けた政策協調が進められています。これは両者の脱炭素戦略にとって共通課題であり、技術・標準・市場創出の協業機会を提供します。


6. 欧州企業自身の戦略的志向:多角的な供給網と協業ニーズ

背景として、欧州企業は中国主導のサプライチェーンからの脱却と多角化を進めようとしており、その過程で日本企業の存在感が高まっています。ある報告では、欧州企業の多くがサプライチェーンリスクを再評価しており、代替供給網を探す動きが加速しています。

これは単なる危機対応ではなく、競争戦略としての多地域協業・価値連鎖構築の志向です。


戦略的な協業の真意 — 技術の移転ではない価値創造

これまで多くの企業が海外との協業を「技術移転」「販路開拓」という狭い観点で捉えてきました。しかし現在の欧州との協業は、むしろ戦略的価値の共創を中心に据えています。それは、

  • 欧州の強い規制・標準創出能力

  • デジタル・グリーン技術の先進性

  • 政策的な枠組みの整備と資金支援

  • スタートアップや研究機関との融合可能性

という要素を日本企業が自社戦略に取り込むことにほかなりません。

それは単なる市場開拓でも、短期的な売上追求でもなく、10年先・20年先の企業価値を共に拓くことです。


結びに

欧州は、成熟した市場であると同時に、ルール作り・技術標準・協創エコシステムの中心地としての存在感を強めています。また欧州企業自身も、日本企業の技術力・現場力・品質信頼を評価し、協業機会を積極的に探しています。

国内外環境が変動する中、欧州との協業は単なる海外進出ではなく、自社の競争力を再設計するための戦略的投資と言えます。

欧州との協業機会を捉えることは、

✔ 技術・サービスの価値向上

✔ 新たな知見と標準へのアクセス

✔ 長期的な市場競争力の強化

という経営課題に対する答えの一つとなるでしょう。

欧州の協業先をお探しの経営者様、既にいるパートナー社との関係構築等のお手伝い、欧州市場進出に関して等お気軽にお問い合わせください。

 
 
 

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